「夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯では、毎月平均5万円の収支不足が生じている。今後30年の人生があるとすれば、単純計算で2,000万円が必要である。」
2019年6月3日、金融庁よりこんな報告書が出されました。
今、話題になっている発言ですね。
撤回だなんて言っていますが、現実の問題として受け止める必要性があると思い、そのことについて触れていきます。
人生100年時代と言われる時代において、年金を加味しても、最低限生きていくために2,000万円は必要だということです。
なおかつ、退職金の給付額は1997年がピークだったのですが、そのころから3割から4割減っています。
現在の日本の60歳以上の人の25%は95歳まで生きると言われています。
老後の生活を年金だけに頼ると、お金が足りなくなる可能性に触れ、「資産運用」の重要性を強調しました。
さらに人生の3つのステージにおいて提言をしました。
■現役期
・老後まで多くの時間があり、早い時期から資産形成を行う重要性と有効性を認識する。
・少額でも資産形成の行動を起こす。
・信頼できるアドバイザー、長期的に取引できる金融サービスの提供者を選ぶ。
簡潔にまとめると、早く老後の生活に対し、危機感を持ち、少しでも貯金を初め、そのためにアドバイスしてくれる人を見つけてくださいということです。
なぜアドバイスしてくれる人が必要なのか?という所ですが、冒頭に少し出ましたが「資産運用」について正しい知識を持つ必要があるからです。
資産運用とは、自身の持つ資産を貯蓄・運用し、効率的に資産を増やしていくこと。
(Wikipediaより引用)
お金を増やすと聞くと、「そんなうまい話は無い、騙されている。」と思う方も多いと思います。しかし、そのような方が想像する「ギャンブル」と「資産運用」は全く違います。
国が「資産運用しないと、やばいですよ。」と言っているのですから、詐欺的な要素はないのでそこはご安心ください。
残り2つのステージについて見ていきましょう。
■退職前期
・退職後の人生が長期化していることを認識し、資産の目減り防止や計画的な取り崩しを検討。
・受け入れる退職金や年金などを確認。不足する可能性がある場合は就労継続を検討。
・住居費や生活費が安い地方への居住も選択肢。
老後の資金計画を立てていない場合は、すぐに立ててください。年金や退職金の金額を計算し、人生を逆算して考えてみましょう。また、不足の可能性が高い場合、早めに引っ越し等することも考えないといけない。ということです。
■高齢期
・老人ホームなどの入居など想定よりも医療・介護費用が高い可能性があり、マネープランを見直す。
・認知・判断能力の低下に備え、資産の管理方針を事前に決定。
・資産管理方針や通帳の保管場所などを信頼できる人と共有。
平均寿命は長くなっているのですが、健康寿命の伸びには限界があります。このため簡単に死ぬことはないのですが、重度の認知症や、介護状態になる方が年々増えています。そのあたりの対策を考えないといけないということです。
全体を総括しますと、いずれの場合においてもこれからの人生で「資産運用」は非常に重要になるということです。
老後、2,000万円必要であることが重要なのではなくて、このような老後に対する意識を持つことが重要なのです。
私の周りでも既に始めている人はいます。早め早めの行動が大切です。
「資産運用」の種類は様々ですが、今後取り上げる機会があればと思っています。