皆さんは、将来の年金期待できると思いますか?
漠然とこのような問いを投げかけられたとき、ほとんどの方が期待できないと回答すると思います。
では、なぜ年金が将来期待できないと言われているのか、将来いくら年金がもらえるのか、そもそもの年金の仕組みについては、完璧に理解している方は少ないのでしょうか?
そんな年金について、2回に分けてお話していきたいと思います。
国が運営する年金を「公的年金」と言います。
年金と聞くと、老後にもらえるものという印象が強いと思いますが、「障害」を負った場合は、自身が年金を受け取ることができて、「死亡」した場合は、遺族が年金を受け取ることができます。
こういった不測の事態が起こった時、この「公的年金」制度が無かったら、周りの方々にどれだけ迷惑をかけるでしょうか。
考えるだけでゾっとしますよね。年金に対する批判は日に日に増しているように感じますが、このような側面もあり、私たちの生活に「安心」をもたらしているとも言えます。
年金の種類は3つに分類されます。
■老齢基礎年金
65歳から亡くなるまで一生受け取ることができます。長生きすればするほど、受け取ることのできる合計額は増えることになりますね。
20歳から60歳まで納めるのが義務なのですが、この期間によって受け取れる金額が変わってきます。
また、納めた金額がすべて老後もらえる保証はありません。
「マクロ経済スライド」という仕組みがあります。
一言でいえば、その時々の経済情勢に応じて、受け取ることのできる年金が増減するというものです。
例えば、自分が65歳になった時に、高齢者が予想以上に増えたり、国全体が不景気になったりすると、年金は減少します。逆も然りです。
平成31年4月分で、満額納めた方が受け取る金額は年間780,100円、月額にすると約65,000円です。
月65,000円と聞くといかがでしょうか。国民年金だけで生活していくのには厳しいようにも思えます。
■傷害基礎年金
所定の障害を負った場合に受け取ることができます。
要件や金額等細かく規定があり、異なりますので、気になった方は「日本年金機構」のホームページを調べてみてください。
【参考】
日本年金機構ホームページ
■遺族基礎年金
亡くなった場合に遺族が受け取ることができます。
こちらも要件や金額等細かく規定があり、異なりますので、割愛させていただきます。
昨今、年金に対しての不満はたくさんありますが、その反面この年金によって守られている方々もたくさんいます。
老後の年金が減少しているのは国の構造上仕方がないことです。万が一のことがあった場合、「国の年金制度があって助かった」必ずこのように思うと思います。
このような「安心」への対価と考えれば、少しは考え方が変わるのではないのでしょうか。
もちろん老後2,000万円問題でも触れましたが、年金だけでの生活となると、現状では厳しいと思います。
このような国の制度を十分に理解した上で、自らのライフプランを設計してみましょう。
年金について考える(2)では国民年金と厚生年金の違いについて説明させていただきます。